1998年4月5日

猫山探しは面白い 1

 猫と縁のある山を調べていて、興味深いことが二つあった。

 そのひとつは、北アルプス・乗鞍岳の一峰である「猫岳」(2,581m)についてだ。猫岳と名のつく山はいくつかあるが、なかなか見つけられなかったのが、この乗鞍・猫岳だった。

 自分が乗鞍岳に登っていなかったということもあるが、山名調査の参考にした「コンサイス日本山名辞典」(三省堂)と「日本山岳ルーツ大辞典」(竹書房)のどちらにも記しておらず、この段階では見落としていた。

 その後、たまたま「すぐ役立つ 山を楽しむ山名辞典」(石井光造著、東京新聞出版局)という本を見たら、著者の選んだ1200山に入っているではないか。新しく猫山が見つかったのはうれしいが、疑問も湧いた。

 地図でみると道はなく尾根上のこぶにすぎず、すぐ脇を乗鞍スカイラインが走っている。不思議なのは、山名辞典や乗鞍岳のガイドブックにも記述がないこの山がなぜ、「1200山」には載っているのかだった。

 著者の前文によると、1200山の選定の参考にしたのは、建設省国土地理院発行の「日本の山岳標高一覧 1003山」とのことで、確かめたら乗鞍岳の猫岳は「標高点」のある山としてちゃんと載っている。

 このため、必ずしも登山の対象としては魅力の薄い乗鞍の猫岳も、1200山に入れてしまったということだろう。
 
 探せば猫山はまだまだありそうだ。もう一つについては、次回に。